K・でざいん

コラム

桂林(中国)レポート

2004年9月14日│コラム

2年前に続いいての2度目の中国、今回は桂林の旅である。
中国は56の少数民族から成り立ち、広大な国土もさることながら実に多くの文化や風土が混じり合っているが、それでいて一つの国の形態を保つ不思議な国である。

 桂林は中国南西部に位置する中規模の農村に囲まれた都市で、500万人の人々が暮らす、静かな街である。街路樹などにも数多く見られる金木犀や銀木犀がこの地の特徴で、桂林の語源だそうである。その時期に訪れると、香りを堪能できる様であるが、残念ながら今回の旅で、それを楽しむ事はできなかったが、大きな枝で緑陰された歩道の涼しげな風景は見ているだけでも心地よく、我が沖縄も同じように涼しげで、どこまでも歩きたくなる道でありたい。

桂林の旅の目玉はなんと言っても“漓江(中国三大河川:珠江の支流)下り”である。
地殻変動によって海から隆起し、その後、長年経てできたカルスト大地の迫力ある光景は想像通りの景色であった。ちょうど良いくらいの晴れ間の中、霞の中に永遠と続く水墨画の世界にただただ、圧倒され心を奪われる。

この国はとにかく、広く、多く、大きく、そして長い、………全てが超えている。やはり、この川下りも竹江から陽朔までの約45kmを4時間かけ、ゆったりと流れていく。
のどかな光景(水草を食する水牛、川魚を獲る猟師や子供達、それを売りに横着けする小船、のんびり過ごす村人など)をながめながらのゆったりとしたひと時は、なんとも“ヌチグスイタイム”(命の洗濯、元気充電時間)である。
ときおり孟宗竹の中から顔を出す、古びた住まいの落ち着きも風景を彩っていて味わい深く、下記写真は、およそ100年前にできた住宅である。 

1、2度の旅行では語り尽くせない程あまりにも広すぎる中国。
旅を終えたばかりだが、歴史的にも沖縄に近く、様々な顔を持つこの国の別の顔を再び見てみたいと早くも思う桂林、中国の旅であった。

by 金城傑(2004.09)